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2026年4月24日

リテール業界、10兆円市場で明暗分かれる

#リテール業界#ドラッグストア#コンビニ#生成AI#リテールメディア

日本のリテール業界は、業態別に明暗が分かれる構造変化の真っ只中にある。特にドラッグストア業界の急成長と、従来の主力業態であるコンビニ・GMSの競争激化が鮮明になっている。

ドラッグストア業界:10兆円市場への躍進

ドラッグストア業界は、推定売上高10兆307億円を達成し、業界目標を1年前倒しで実現する快進撃を続けている。大手5社の今年度中間決算では、サツドラHDを除く4社が増収増益を記録。特にクスリのアオキHDは約15%の増収率で既存店売上高5.7%増と好調を維持している。

この成長を支えているのが調剤併設店の戦略的拡大だ。ウエルシアは今年度中に調剤併設率80%を目標に設定し、ツルハも調剤売上高1400億円を目指して店舗展開を加速している。高齢化社会の進展と共に、医療・健康ニーズを取り込んだビジネスモデルが奏功している形だ。

コンビニ・GMS:二極化が鮮明に

一方、コンビニエンスストア業界では勢力図に変化が見られる。大手3社の今年度業績を見ると、セブン-イレブン5兆4693億円(前期比1.9%増)、ファミリーマート3兆3002億円(1.7%増)に対し、ローソンが3兆223億円(4.5%増)と高い伸び率を記録している。

特筆すべきは、第2四半期でファミリーマートとローソンがセブン-イレブンを利益面・チェーン全店売上高・全店平均日販の伸びで上回った点だ。ファミリーマートは既存店日商55ヶ月連続の前年越えを達成し、45周年記念施策が売上を後押ししている。節約志向への対応と加盟店利益確保の施策で明暗が分かれる構造となっている。

総合スーパー・GMS業界でも同様の二極化が進んでいる。13社中11社が増収を達成したものの、利益面では明暗が分かれた。全国スーパーの既存店売上高は今年1月に2.7%増と6年連続で増加しているが、事業所数は5,994店と微増に留まり、M&A再編や不採算店舗閉鎖により頭打ち状態にある。

テクノロジーが変革を牽引

業界全体を通じて注目されるのが、生成AIとリテールメディアの急速な普及だ。「リテールテックJAPAN」では、生成AIがリテールDXの中心的役割を担う動きが活発化している。日立製作所は「AIが人を解放し買い場は顧客を知りに行く」をテーマに、想定店舗「IKUKO Mart」を設置し、次世代小売りの姿を提示した。

リテールメディア市場の成長も著しい。米国NRFの予測によると、市場規模は今年587.9億ドル(前年比19.4%増)に達し、2029年には977.7億ドル規模への成長が見込まれる。営業利益率50~70%という高収益性が、小売業者にとって新たな収益源として期待されている。

こうした技術革新は、ID-POSデータやAI分析を活用したマーケティングソリューションの重要性を一層高めている。顧客の購買行動をリアルタイムで分析し、パーソナライズされた体験を提供する能力が、業態を問わず競争力の源泉となりつつある。

リテール業界は今、伝統的な業態の垣根を越えて、テクノロジーを軸とした新たな競争ステージに突入している。データドリブンなアプローチと顧客中心の戦略が、今後の成長を左右する重要な要素となるだろう。