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2026年6月19日

リテールメディア9倍成長、CRM刷新の年

#CRM#リテールメディア#ロイヤルティプログラム#パーソナライズ#リテールDX

リテールメディア市場の急拡大がCRM戦略を変える

2026年、日本のリテール業界はパーソナルプロモーションとCRM戦略において大きな転換点を迎えている。リテールメディア市場の規模は805億円に達し、わずか5年前の90億円から約9倍という驚異的な成長を遂げた。この背景には、小売事業者が自社の購買データと顧客接点を広告メディアとして活用し、メーカーや外部企業からの広告収益を新たな収益源とする動きがある。

注目すべきは、クーポン配信・ポイントプログラム・パーソナライズドオファーをデジタル販促基盤として一元管理する事業者が増えている点だ。単発の値引き施策から、購買データに基づく継続的な顧客育成へとシフトしていることが読み取れる。実際、大手コンビニチェーンでは深夜帯の無人営業導入によって労務コストを削減しつつ、そこで蓄積される顧客データをパーソナライズドマーケティングへ応用する動きも出てきている。

また店舗・EC・アプリを跨いだCRM基盤の即時導入を可能にするサービスも登場している。タスネット、GMOメイクショップ、ビートレンドの3社が合同で提供する「店舗&ECクイック連携」は、最短1ヶ月で店舗・EC・アプリのシームレスな連携を実現し、ポイントの統合管理やチャネル横断的な施策展開を容易にした。スーパーマーケット業界を中心に導入検討が進んでいるという。

スーパーアプリ化とリアル店舗のパーソナライズ体験

小売業界全体で顕著なのが、公式アプリの「スーパーアプリ化」トレンドだ。単なるポイントカードや情報提供ツールにとどまらず、決済・予約・顧客サポート・パーソナライズされたショッピング体験まで、あらゆる機能を一つのアプリへ統合する動きが加速している。

その代表例がイオンの公式アプリ「iAEON」だ。「イオン生活圏」のデジタル基盤として継続的なリニューアルを重ね、MAU率45%という高水準を維持している。同社は2026年6月に発表した新中期経営計画で「営業収益15兆円」という目標を掲げており、iAEONを軸としたCRM戦略がその達成を左右する鍵になるとみられている。一方で食品スーパー業界全体では再編・M&Aが頻発し、各社が生き残りをかけたデジタル顧客接点の強化に動いている。

リアル店舗の現場でもパーソナライズ体験の実装が進む。韓国発の電子棚札(ESL)企業SOLUMは、リテールテックJAPAN 2026において、電子棚札を媒介にPOS・在庫管理・モバイルアプリが連動するオンライン・オフライン統合エコシステムを披露した。肌タイプ診断キオスクとバータイプ・サイネージを連動させ、来店客一人ひとりに合わせた商品提案を行う実演は、来場者の関心を集めたという。

中小小売にも広がるパーソナライズ接客

こうした潮流は大手企業に限らない。中小規模の小売店でも、汎用的なSaaSを活用した低コストかつスピーディな変革が進んでいる。タブレットPOSレジ、クラウド型在庫管理ソフト、LINE公式アカウントを活用したCRムなど、月額数千円のツールを組み合わせることで、大手並みのパーソナライズ接客を実現できる環境が整いつつある。「誰が・いつ・何を・いくらで購入したか」を紐付けるデータ基盤の整備こそが、規模を問わずリテールDXのスタートラインになるという指摘は多くの事業者に共通する課題認識だろう。

ID-POSデータとAIを組み合わせ、顧客一人ひとりの購買行動を可視化・予測する技術は、こうした業界全体の潮流と親和性が高い。マギーが提供するPAL、PowerID、i-codeといったソリューションも、こうしたパーソナルプロモーションとCRM高度化の流れの中で、小売事業者のデータ活用を支える選択肢の一つとして位置付けられている。

2026年のリテール業界は、規模の大小を問わず「データに基づく個客対応」が競争力の源泉となる時代に本格突入したと言えるだろう。