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2026年6月25日

2026年、CRMとロイヤルティ戦略が転換点に

#リテールメディア#CRM#ロイヤルティプログラム#パーソナライゼーション#ID-POS

リテールメディア市場、6,000億円超えへ急拡大

2026年、日本のリテール業界は「パーソナルプロモーション」を軸とした構造転換の只中にある。国内リテールメディア市場は6,000億円超の規模に達する見込みで、この数年で急速に拡大してきた。特筆すべきは、オフライン領域の伸びだ。コンビニ・ドラッグストア・スーパーが実店舗内のデジタルサイネージ網を積極的に整備した結果、インストア広告が市場全体の約3割を占めるまでになっている。

この背景には、Cookieレス時代への対応として、小売企業が自社で保有するファーストパーティデータ、すなわちID-POSデータの価値が急速に見直されているという事情がある。会員IDと購買履歴を紐づけたデータ基盤があれば、個々の顧客に最適化された広告・クーポンを、生成AIを用いてクリエイティブ単位で自動生成し配信することが可能になる。実際、広告クリエイティブの自動生成とパーソナライズは、今や現場レベルでの本格運用フェーズに入ったと言える。

ロイヤルティプログラムは「ROIで語る」時代へ

一方、ロイヤルティプログラムの位置づけにも明確な変化が見られる。これまでポイント還元や会員特典は「顧客満足度向上のための施策」として語られることが多かったが、現在は明確な投資対効果(ROI)の指標をもって評価すべきだという考え方が主流になりつつある。

具体的には、会員のLTV(顧客生涯価値)と非会員のLTVの差分に会員数を乗じ、それをポイント原資やシステム運用費などの運営コストで除して算出する手法が広く紹介されている。楽天やスターバックス、航空会社のマイレージプログラムなど、業界を代表する事例を参照しながら、単なる会員数の多寡ではなく「投資に見合うリターンが出ているか」を問う視点が、経営層の関心事として急浮上している。

また、全国スーパーマーケット協会が公開した最新の業界白書でも、キャッシュレス決済の普及が一つの分岐点を迎えていることや、ウェルビーイングの観点からの顧客エンゲージメント強化が重要テーマとして取り上げられており、購買データ活用への関心の高さがうかがえる。

顧客データ統合とフランチャイズ構造の見直し

CRMの現場では、POS・EC・アプリといった複数チャネルに分断された顧客データを統合し、単一の顧客IDのもとでオムニチャネルの購買行動を把握しようとする動きが加速している。大手アパレルや生活雑貨チェーンが先行して統合IDによる顧客管理基盤を構築し、店舗別・セグメント別の精緻な分析へと展開している事例が業界内で広く参照されるようになった。

さらに興味深いのは、大手コンビニチェーンが約半世紀ぶりとなるフランチャイズプランの刷新に踏み切ったことだ。ロイヤリティ比率の引き下げと契約期間の短縮を柱とするこの見直しは、24時間営業をめぐる長年の議論や、加盟店側の収益構造への不満、後継者不在による廃業増加といった課題への対応と見られている。ロイヤルティという言葉が「顧客の再来店」と「加盟店への還元率」という二つの文脈で同時に問い直されている点は、2026年ならではの興味深い現象と言えるだろう。

こうした一連の動きは、いずれも「データに基づく意思決定」という共通軸でつながっている。ID-POSデータを起点とした顧客理解、AIによるパーソナライズ配信、そして投資対効果の可視化は、もはや一部の先進企業だけの取り組みではなく、業界全体の標準的な経営課題になりつつある。マギーが提供するPAL、PowerID、i-codeといったソリューションも、こうしたデータ統合とパーソナライゼーションの潮流の中で、小売企業のCRM高度化を支える技術基盤の一つとして位置づけられている。今後も市場の動向を注視しながら、業界全体の変化を追っていきたい。