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2026年6月28日

ID-POS×AIで進化する購買データ活用の最前線

#消費者行動分析#ID-POSデータ#リテールメディア#生成AI#小売DX

節約志向とPB強化が購買データに映し出す変化

2026年に入り、日本の小売業界では消費者の節約志向が一段と鮮明になっています。長引くインフレと実質賃金の伸び悩みを背景に、買い物1回あたりの買上点数が減少する一方、低価格戦略を取る事業者には追い風となる展開が続いています。スーパーマーケットやドラッグストア各社は、低価格対応と収益性向上を両立させるため、プライベートブランド(PB)商品の開発・販促に一段と力を入れる動きが目立ちます。

こうした行動変化を裏付けるように、流通経済研究所は全国合計6,000万人規模のID-POSデータをもとに「消費者購買行動年鑑」の最新版を発表しました。スーパーマーケット編(会員数約382万人)とドラッグストア編(会員数約622万人)では、業態別・カテゴリー別に購買実績を指数化し、催事企画や52週マーチャンダイジングに活用できる形で整理されています。年間を通じた季節トレンドの可視化は、需要予測の精度向上に直結する材料として注目されています。

また、クロス・マーケティングが実施したコンビニエンスストアに関する調査では、会計後に「予想より高い」と感じた経験がある人が76.2%にのぼり、男女ともに40代以上で8割前後に達することが分かりました。単価上昇局面において、購買データに基づく価格・棚割り戦略の重要性がますます高まっていることを示す結果といえます。

ID-POS×位置情報で進化するリテールメディア

3月に東京ビッグサイトで開催された「リテールテックJAPAN 2026」では、ID-POSデータと位置情報データを組み合わせた次世代型の販促・広告手法が相次いで発表されました。近隣の競合店を訪れているものの自店には来店していない層を特定し、限定特売情報を配信することで競合からの顧客流入を狙うサービスや、一定期間来店のない離反会員をID-POSデータから抽出し、ピンポイントでアプローチすることで広告費を抑えながら休眠顧客の再来店を促す仕組みなど、データドリブンな販促の高度化が加速しています。

一方で、こうしたデータ活用には課題も残ります。ID-POSや来店データが日々膨大に蓄積される一方、分析に時間がかかり意思決定が遅れる、部門間でデータが分断され全体像が見えない、示唆が施策に結びつかずデータが「眠ったまま」になっているといった声が業界からは根強く聞かれます。カタリナマーケティングジャパンも、EC行動ログやアプリ閲覧データから顧客の興味関心を捉え、閲覧直後に限定クーポンを配信する手法や、来店客の動線・属性データを活用したスタッフ配置最適化の事例を紹介しており、データを「使いこなす」体制づくりが業界共通のテーマとなっています。

生成AIショッピングという新潮流

2026年の注目トピックとして急速に存在感を増しているのが「生成AIショッピング」です。生成AIの性能向上を背景に、消費者がAIとの対話の中で商品を検索・比較し、そのまま購入まで完了させる行動が広がり始めています。MarkeZineの分析でも、日本のリテールメディアはいまだ店舗内サイネージなどオフライン施策が中心である一方、EC化率の向上を追い風に、デジタル領域でのデータ統合・整理が今後さらに進んでいくとの見通しが示されています。

エクスクリエの調査では、ドラッグストア利用者を対象にしたアンケートで「クーポンが発行されている商品」は購入頻度への影響が大きく、「商品棚の目立つ位置に置かれている商品」は認知・興味喚起への効果が高いことも確認されており、店頭施策とデジタル施策を横断したデータ設計の必要性が浮き彫りになっています。

こうした潮流のなかで、ID-POSデータとAIを組み合わせた消費者行動分析の精度向上は、業界全体の共通課題となりつつあります。マギーが提供するPAL、PowerID、i-codeといったソリューションも、こうしたID-POSデータの高度活用やリテールメディア連携の文脈で語られる技術領域と重なっており、今後の動向から目が離せません。