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2026年7月5日

2026年リテール、DXと個客対応が本格化

#リテール業界動向#ID-POS#小売DX#プライベートブランド

人手不足を背景にした店舗DXの定着期へ

2026年に入り、スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニ各社では、電子棚札(ESL)やセルフレジ・セミセルフレジの導入がもはや「試験導入」ではなく「標準装備」の段階に移行しつつあります。人手不足と最低賃金の上昇が続くなか、価格変更作業や発注業務にかかる店舗オペレーションコストを削減する動きは、大手チェーンだけでなく中堅・地域チェーンにも広がっています。

GMS(総合スーパー)業態では、食品スーパーへの機能特化やテナント貸し比率の見直しなど、店舗フォーマットそのものの再編が進行中です。売場面積を絞り込み、生鮮・惣菜など来店動機の強いカテゴリーに投資を集中させる一方、非食品カテゴリーはEC送客やネットスーパー連携で補完する「ハイブリッド型」の店舗運営が主流になりつつあります。

コンビニ業界においても、深夜営業の見直しや無人・省人化レジの拡大に加え、海外展開の加速が続いています。国内の店舗数が飽和に近づくなか、アジアを中心とした海外出店が各社の成長ドライバーとして位置づけられている点は、ここ数年変わらぬ傾向として定着しました。

値上げ環境下で存在感を増すプライベートブランド

原材料費・物流費の高止まりが続くなか、2026年時点でもプライベートブランド(PB)の存在感は拡大基調にあります。ドラッグストア・スーパー各社は、ナショナルブランドとの価格差を訴求するだけでなく、健康志向・時短調理・少量パックといった生活者ニーズに応じたPB開発にシフトしています。

特にドラッグストア業界では、食品・日用品の取り扱い強化による「フード&ドラッグ」化が一段と進み、スーパーとの顧客争奪が激化しています。この結果、業界再編・M&Aの動きも継続しており、地域チェーン同士の資本業務提携やシステム統合によるスケールメリット追求が引き続き話題となっています。

一方で、値上げ疲れによる生活者の節約志向は根強く、来店頻度を維持しつつ買い上げ点数を絞る「メリハリ消費」が定着しています。こうした購買行動の変化を店舗運営に反映させるには、POSデータだけでは捉えきれない「誰が・なぜその商品を選んだか」という購買文脈の可視化が不可欠になっています。

ID-POSデータ活用による個客マーケティングの高度化

以上のような環境下で、小売各社が改めて重視しているのが、ID-POSデータを起点にした個客理解の深化です。会員カードやアプリを通じて取得される購買履歴データを、単なる販促の的中率向上にとどめず、品揃え計画や棚割り、PB開発の意思決定にまで活用する動きが広がっています。

こうした潮流のなかで、AIを活用した購買データ分析ソリューションへの関心も高まっています。マギー株式会社が提供するPAL(ID-POS分析基盤)やPowerID(顧客ID統合基盤)、i-code(商品分類コード)といったソリューションも、こうした「データを経営判断に直結させる」ニーズに対応する仕組みの一例といえます。また、生成AIを組み合わせたAmeba DNA AIのような分析支援の仕組みは、膨大な購買データから示唆を抽出する作業の効率化にも寄与し始めています。

人手不足によるオペレーション効率化と、値上げ環境下での顧客ロイヤルティ強化という二つの課題に同時に応える手段として、データドリブンな店舗運営は今後も小売業界全体のテーマであり続けると見られます。