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2026年7月7日

リテールメディア9倍成長とCRMの新潮流

#リテールメディア#CRM#ロイヤルティプログラム#AIパーソナライゼーション#ID-POS

リテールメディア市場、驚異の9倍成長が示す業界の転換点

2026年、日本のリテール業界はパーソナルプロモーション・CRM戦略における大きな転換点を迎えている。中でも際立つのがリテールメディア市場の急拡大だ。市場規模はわずか数年前の90億円規模から約9倍に成長し、805億円まで拡大したと報告されている。

この成長を牽引しているのが、AI技術によるパーソナライゼーションの高度化である。顧客の購買履歴や行動データに基づいた広告配信は、リアルタイムでの最適化や効果予測が可能な段階に入った。Googleも今年、AIモードにおける新たな収益化体験として「Direct Offers」を導入したと発表しており、購買意欲の高い顧客に対してブランドが的確にアプローチできる仕組みが急速に整備されつつある。

実店舗系(コンビニ・スーパー等)に限定した市場規模についても、業界団体の調査では今後数年で倍増以上の成長が見込まれており、実店舗発のID-POSデータを起点としたリテールメディア展開が、業界の主戦場になりつつある状況がうかがえる。

ポイント経済圏の統合と「スーパーアプリ化」

CRMの基盤となるロイヤルティプログラムでも、大きな地殻変動が起きている。三井住友カードによるCCCMKホールディングス(Vポイント運営会社)の子会社化が今年3月末に完了し、延べ1億6000万人規模の会員基盤を持つ、国内最大級のポイント経済圏が誕生した。今後、これまで分かれていたアプリの統合が進み、クーポンや特典配信の効率化が一気に加速する見通しだ。あわせて実施されたV Pointの制度改正では、従来一律だったポイント加算率がカテゴリ別に細分化され、より精緻な顧客セグメント別施策が可能になっている。

もう一つの潮流が、小売各社アプリの「スーパーアプリ化」である。ポイントカード機能に留まらず、決済・予約・顧客サポート・パーソナライズされたショッピング体験までを一つのアプリに統合する動きが加速しており、イオンの「iAEON」はその代表例として継続的なリニューアルを重ねている。単一アプリが「生活圏」全体のデジタル基盤として機能する時代に入ったと言える。

AIパーソナライゼーションはもはや前提条件に

Deloitte Japanが発表した小売業界展望では、調査対象企業幹部の67%が今後1年以内にAI主導のパーソナライゼーション機能を導入する見込みと回答している。AIエージェントがECの主要インターフェースとして定着しつつある中、早期対応した企業ほど競争優位を得やすい状況だ。

実際の事例としても、資生堂のグローバルプレステージブランド「SHISEIDO」がLINEのパーソナライズ配信を軸としたCRM戦略でリピーター(F2)転換を促進し、日本事業で力強い成長を続けていることが報告されている。一方で、大手グループの寡占化が進むドラッグストア業界では、中小企業にとってアプリやSNS、電子チラシを活用したデジタル販促の重要性がますます高まっている。

こうした環境下では、ID-POSデータと来店・購買行動を統合的に把握し、精緻なセグメント単位でパーソナライズ施策を実行できる基盤の有無が、今後の競争力を大きく左右するだろう。マギーが提供するPAL、PowerID、i-codeといったソリューションも、こうしたデータドリブンなCRM・リテールメディア戦略を支える技術群として位置づけられる。