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2026年7月23日

フード&ドラッグ化が加速、2026年リテール勢力図

#リテール業界動向#ドラッグストア#GMS#コンビニ#リテールメディア

2026年、日本のリテール業界は業態の垣根を越えた再編が本格化している。GMSの構造改革による黒字転換、ドラッグストアの「1兆円企業」誕生、コンビニの値上げと増量戦略の同時展開、そしてリテールメディア市場の急拡大——。データを基に、現在進行形の業界地図の変化を整理する。

GMSが復調、イオンは2期連続最高益へ

長らく苦戦が続いていたGMS(総合スーパー)事業に、明確な回復の兆しが見えている。イオン株式会社の直近決算では、GMS事業の営業収益が3兆6,918億円(前年比+3.7%)、営業利益は214億円(同+31.0%)と二桁増益を達成した。ヘルス&ウエルネス事業も営業収益1兆6,333億円(同+23.5%)、営業利益523億円(同+45.4%)と大幅な増収増益となり、グループ全体で2期連続の最高益更新につながっている。

一方で、コンビニ専業化を進めるセブン&アイ・ホールディングスは国内事業が増収減益にとどまるなど、業態によって明暗が分かれている。同グループ傘下のスーパー事業を担うU.S.M.H(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)は直近期に最終赤字を計上し、個社最適から一体経営への転換を急いでいる。業界再編は今なお進行中であり、各社の戦略の巧拙が業績に直結する構図が鮮明になっている。

ドラッグストアは「1兆円企業」時代、食品スーパー買収も加速

ドラッグストア業界では、大手の巨大化がいよいよ現実のものとなった。ウエルシアホールディングスは売上高1兆103億円超(直近四半期決算ベース)で首位に立ち、マツキヨココカラ&カンパニー(8,393億円)、コスモス薬品(8,103億円)が追う展開だ。業界全体の市場規模は10兆円を突破し、食品強化と調剤併設を軸とした成長戦略が続いている。

注目すべきは、業態の壁を越えた動きが加速している点だ。イオンとの提携を解消したクスリのアオキホールディングスは、それでも直近期に2ケタ増収を記録し、出店数は業界最多を維持している。クリエイトSDホールディングスは長野県の食品スーパー「やおふく」を子会社化するなど、食品スーパーのM&Aにも積極的だ。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が展開する新フォーマット「ロビン・フッド」も早くも3店舗体制に拡大しており、フード&ドラッグの垣根はますます曖昧になっている。

コンビニは値上げと増量の綱引き、リテールメディアが新たな収益源に

コンビニ業界では、コメ・海苔・コーヒー豆の価格高騰と物流コスト上昇を背景に値上げが相次いでいる。セブン-イレブンは手巻おにぎりを中心とした29品目を平均9%値上げする一方、「盛りすぎチャレンジ」と称して価格据え置きのまま増量するキャンペーンを展開するなど、値上げと訴求力強化を同時に進める「アメとムチ」戦略が目立つ。ファミリーマートもファミチキやコーヒーの価格改定を相次いで実施しており、原材料高が業界共通の課題となっている。

こうした中、新たな収益源として存在感を増しているのがリテールメディアだ。直近1年間の国内リテールメディア広告市場は6,066億円(前年比129%)へと急拡大し、店舗事業者のデジタルサイネージ広告だけで210億円規模に達している。コンビニ・ドラッグストア・スーパー各社が店内サイネージやアプリを軸にした広告ネットワークの整備を急ぐ背景には、来店客の購買データをいかに広告価値へ転換するかという競争がある。

ID-POSデータや店内行動データを組み合わせた分析基盤は、こうしたリテールメディア戦略の精度を左右する重要な要素となっている。購買データと店舗内行動データを統合的に捉える視点は、業態を超えた競争が激化する現在のリテール市場において、各社の差別化戦略を支える基盤技術としてますます重要性を増していくだろう。