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2026年7月28日

購買データが示す2026年消費者行動の分岐点

#消費者行動分析#ID-POSデータ#リテールメディア#購買データ活用

節約志向とリテールメディア拡大が同時進行

2026年の小売業界を俯瞰すると、一見矛盾する二つの潮流が同時に進行していることがわかります。ひとつは長引くインフレと実質賃金の伸び悩みを背景にした消費者の節約志向です。買い物1回あたりの買上点数が減少するなど、生活者は購買行動をより慎重に選別するようになっており、低価格戦略を取る事業者には追い風となっています。総合スーパー(GMS)では専門店やドラッグストア、ECとの競争が激化し、事業売却や業界再編も相次いでいます。オーケーやロピアといった首都圏発のスーパーが関西・中部へ進出する一方、地方の有力事業者が首都圏に進出するケースも増え、地域の垣根を越えた競争が一段と激化しています。

もうひとつの潮流は、リテールメディアのインフラ化です。米国市場ではAmazonとWalmartの上位2社だけでリテールメディア広告支出の9割近くを占めるまでに集中が進んでおり、日本国内でもオンサイト・オフサイト・インストアの各領域を横断したメディア事業化が、小売企業にとって避けて通れない経営課題になりつつあります。

「価格競争からの脱却」を支える購買データ活用

矢野経済研究所の調査によれば、国内小売市場は微増にとどまる見込みであり、「値下げだけでは対応できない」という危機感が業界全体に広がっています。各社は顧客データの活用、リテールメディアの展開、地域連携などを通じて「価値創造」と「顧客接点」の強化に軸足を移しており、単純な価格訴求から脱却しようとする動きが顕著です。

こうした流れの中、購買行動データをもとに消費者をセグメント化する試みも活発化しています。プロモーション支援会社が実施した調査では、購買データの分析から消費者を8つのクラスターに分類し、それぞれの行動特性に応じた施策設計を提案する事例も出てきました。単一の「平均的な消費者像」ではなく、多様なクラスターごとに異なるアプローチを取ることが、価格以外の価値を伝える鍵になっています。

店頭施策の効果測定も精緻化が進んでいます。ドラッグストアを対象にした調査では、ついで買い経験者が6割を超え、中でも「お菓子・スイーツ」が最多という結果が出ています。またクーポン発行商品は購入頻度が高く、商品棚の目立つ位置に置かれた商品は認知・興味喚起への影響が大きいことも確認されており、棚割や販促の設計が購買行動に直結することが改めて裏付けられています。

AIによる購買行動の変容と統合分析基盤の台頭

PwC Japanが継続実施している購買行動調査では、AI時代における生活者の購買行動の変容に焦点を当てた分析が示されており、日常的な購買行動と注目トピックスの両面から消費者理解を深める試みが続いています。

こうした環境変化を受け、ID-POSデータやID連携技術を活用した統合分析基盤への注目も高まっています。POS・ID-POSデータに加え、顧客データや人流データ、さらにはメディア露出量までを一つの基盤で統合分析し、経営層から店舗運営の現場まで横断的に活用できる仕組みを構築する動きが業界内で広がりつつあります。マギーが提供するPALやPowerID、i-codeといったID-POS分析ソリューションも、こうした「データを横断的に統合し、購買行動の変化を可視化する」というニーズに応える技術として位置づけられます。

価格競争からの脱却、リテールメディアのインフラ化、そしてAIによる購買行動の変容――2026年の消費者行動分析は、これら複数のテーマが交差しながら進化を続けています。今後も購買データを起点にした顧客理解の深化が、小売業界の競争力を左右する重要な要素になっていくでしょう。