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2026年8月7日

2026年、小売DXは「データ活用の深化」へ

#流通小売DX#店舗デジタル化#ID-POS#AI発注

「導入」から「活用」へ、店舗デジタル化の重心が移動

ここ数年、電子棚札(ESL)やセルフレジ、AI発注システムといった店舗デジタル化ツールの導入が全国のスーパーマーケットやドラッグストアで進んできた。2026年現在、業界の関心は「ツールを入れること」から「入れたツールをどう使いこなすか」へと明確にシフトしている。

電子棚札を導入した企業へのヒアリングでは、当初の目的であった価格変更の省人化に加え、需要予測と連動したダイナミックプライシングへの活用を検討する動きが目立つ。ある地方スーパーチェーンでは、電子棚札の導入後に価格変更にかかる作業時間を大幅に削減できたと報告されており、削減された人的リソースを接客や売場改善に再配分する事例も増えている。

またセルフレジ・セミセルフレジの普及率は都市部の大手GMSでは半数以上の店舗で導入済みとされ、レジ待ち時間の短縮という一次的効果を超えて、決済データをリアルタイムで在庫・発注システムに連携させる「データ基盤としてのレジ」という位置づけが強まっている。

ID-POSデータとAIの融合が生む「店舗ごとの最適化」

流通小売業界における最大のトレンドは、店舗単位・カテゴリ単位でのデータドリブンな意思決定が実務レベルで機能し始めている点だ。ID-POSデータをAIで解析し、地域特性や来店客層に応じて品揃えや棚割りを最適化する取り組みは、大手チェーンだけでなく中堅・地域スーパーにも広がっている。

背景にあるのは、人手不足による発注・棚割り業務の属人化への危機感だ。ベテラン店長の経験に依存していた発注判断を、AIが過去の販売実績・季節性・天候データなどから予測支援する仕組みは、もはや先進事例ではなく標準機能として定着しつつある。ドラッグストア業界では、化粧品や日用品カテゴリでAI発注を導入した店舗において欠品率が大きく改善したという報告も出ている。

こうした流れの中で注目されているのが、来店客の属性や店内行動データと購買データを組み合わせる「オムニチャネル型の顧客理解」だ。EC購買履歴と店舗購買履歴を統合し、一人ひとりに合わせたクーポン配信や販促を行う取り組みは、リテールメディア広告市場の拡大とも相まって、メーカー各社からの投資意欲も高まっている。

現場の省人化とパーソナライズの両立が次の課題

2026年の店舗DXにおいて浮かび上がっている課題は、省人化と顧客体験のパーソナライズを同時に実現することの難しさだ。無人化・省人化を進めるほど、従来スタッフが担っていた「気づき」による接客や売場調整が失われるリスクがある。この課題に対し、来店客の動線データや顔認証を活用した非接触型の顧客識別技術、購買データと連動したID基盤の整備が解決策として注目されている。

マギーが提供するID-POSデータ分析ソリューション「PAL」や、来店客識別基盤「PowerID」のような技術は、まさにこの「データを人に代わって現場活用へつなげる」領域に位置する。今後は個社のPOSデータだけでなく、複数チェーンを横断した業界データの活用や、AIによる需要予測の精度向上が、店舗デジタル化の次のフェーズを左右するとみられる。