コンビニ業界に広がる明暗、成長の裏にある淘汰
2026年のコンビニ業界は、大手チェーン間の明暗がくっきりと分かれている。長年業界を牽引してきたセブン-イレブンが減益に苦しむ一方、ファミリーマートとローソンは過去最高益を更新した。背景にあるのは物価高への対応力の差だ。ローソンの「盛りすぎチャレンジ」やファミマの著名アスリートとのコラボ企画など、消費者に「わざわざ店へ足を運ぶ理由」を提供した施策が功を奏した形だ。一方セブンは、値上げに対する消費者の納得感を得るのに苦戦しており、店内で焼くパンの導入店舗を2027年2月期までに約1万8,000店へ拡大するなど、体験価値の底上げに動いている。
店舗数で見ると、大手3チェーンの合計は5万1,702店に達し、コンビニ全体の90.5%を占める寡占状態が続く。前年同月比でセブンが226店増、ファミマが100店増、ローソンが36店増と、いずれも緩やかな増加基調にある。業界全体の売上高も13兆3867億円に達し、インバウンド需要の回復と高付加価値な冷凍食品・スイーツの定着が成長を下支えしている。店舗数だけでなく「どの客層が、どの商品を、なぜ選んでいるか」というID-POSレベルの購買データ分析が、勝ち組と伸び悩み組を分ける鍵になっている。
ドラッグストア・GMSで進む「メガ再編」
ドラッグストア業界では、売上首位のウエルシアホールディングスと2位のツルハホールディングスの経営統合により、売上高約2兆円、店舗数5,600店規模の巨大グループが誕生している。これを受けて業界5位のスギホールディングスをはじめとする中堅各社は、独自のM&A戦略で生き残りを模索する局面に入った。上位集中が進むほど、各社は規模の経済だけでなく、店舗ごとの商圏特性や顧客属性に基づいた精緻な品揃え最適化が競争力の源泉になる。
総合スーパー(GMS)業界の再編も本格化している。セブン&アイ・ホールディングスは、イトーヨーカ堂などを束ねるヨーク・ホールディングスを投資ファンドのベインキャピタルへ約8,147億円で売却し、総合スーパー事業から実質的に撤退した。現在のイトーヨーカ堂はベインキャピタル主導のもと首都圏へのフォーカスと事業再編を進め、IPOを見据えた体制へ移行している。ユニーはPPIH傘下で「MEGAドン・キホーテUNY」へ転換、西友の九州事業はイズミが承継、ダイエーはイオンの完全子会社として都市型食品スーパーへ舵を切るなど、GMS各社の系列再編・業態転換が同時多発的に進行中だ。
スーパー業界は「食品インフラ争奪戦」へ
スーパー業界でも勢力図の塗り替えが続いている。グループ再編や有力企業による新規エリアへの越境出店が相次ぎ、全国規模でのランキング入れ替えが起きている。物価上昇とシェア獲得競争が激化する中、生鮮・惣菜は「顧客を引きつけるインパクト」がこれまで以上に問われる領域となった。また、都市部を中心に小型スーパーの成功事例を背景に、イオンなど大手が「標準的な規模のスーパー」を拡大させる動きも顕著で、いわゆる「食品インフラ争奪戦」の様相を呈している。
こうした業界再編・競争激化の局面では、店舗ごとの顧客属性や購買行動を可視化するID-POSデータ活用の重要性が一段と高まる。マギーが提供するPALやPowerID、i-codeといったリテールマーケティングソリューションも、こうした変化の速い市場環境の中で、各社が自社の強みを再定義し、データドリブンな意思決定を行うための基盤として注目されている。2026年は、規模の再編だけでなく「データで顧客を捉える力」が、生き残りを左右する年になりそうだ。