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2026年10月15日

リテール業界2026年、再編加速と現場の体温差

#リテール業界動向#ドラッグストア再編#スーパーマーケット

スーパー業界、増収増益の裏で広がる「数字と体感」のギャップ

東京商工リサーチが2026年2月に発表した調査によれば、全国のスーパー経営会社610社の決算は、売上高合計24兆9,484億6,300万円(前期比6.6%増)、利益合計4,107億1,300万円(同4.4%増)と、2期連続の増収増益となった。コロナ収束後は外食需要の回復や節約志向の高まりで一時は減収減益が続いていたが、ここ2期は価格転嫁による売上押し上げ効果が業績を支えている。

ただし利益の伸びは直前期(同31.4%増)には遠く及ばない。原材料費やエネルギーコスト、人件費の上昇が続くなか、コスト吸収が追いつかないまま物価高の影響を受け続けている構図が浮かび上がる。

実際、現場の景況感は決算の数字以上に厳しい。2026年6月のスーパー中核店舗の景気判断DIは、現状判断が前月から5.7ポイントも急落して41.7、見通し判断も41.0まで低下した。同時期の消費者購買意欲DIも現状41.2(前月比-3.3)、見通し40.9(前月比-1.6)と大きく落ち込んでいる。一方で同月の全店売上高(前年同月比100.9%)自体は大きく崩れておらず、「数字は維持しているが、現場と消費者の心理は急速に冷え込んでいる」という、やや珍しいねじれが生じている。こうしたギャップを放置すれば、値引き依存や来店頻度の低下といった形で遅れて業績に跳ね返ってくる可能性があり、各社は購買データに基づくきめ細かな価格戦略・販促設計を迫られている。

ドラッグストア業界、「2兆円グループ」誕生で勢力図が一変

スーパー業界が構造的な利益圧迫と向き合う一方、ドラッグストア業界では歴史的な再編が現実のものとなった。業界最大手のウエルシアホールディングスと2番手のツルハホールディングスは、当初計画を2年前倒しする形で経営統合を実現し、営業収益2兆円規模の巨大グループが誕生。これにより国内ドラッグストア市場の勢力図は大きく塗り替えられた。

背景にあるのは、特定エリアへのドミナント出店を狙った大手チェーンのM&A戦略の加速だ。限られた出店余地と人材・物流リソースを奪い合う中、規模の経済を追求する動きは今後も止まりそうにない。実際、コスモス薬品やスギホールディングスといった地方発の有力チェーンも売上高1兆円を突破し、1兆円企業は4社体制となった。上位集中はいっそう鮮明になっている。

各社の決算を見ても勢いは顕著だ。ツルハホールディングスは決算期変更を伴う変則決算ながら売上高1兆4,505億円、営業利益630億円を計上。マツキヨココカラ&カンパニーも売上高1兆1,174億円、営業利益849億円と高水準を維持しており、上位グループ間の競争は「規模」だけでなく「収益性」の両面で激化している。

データドリブンな現場対応が競争優位の分かれ目に

スーパー、ドラッグストアともに共通するのは、全社レベルの決算数値だけでは見えない「店舗単位・顧客単位」の変化をいかに早く捉えるかという課題だ。物価高による節約志向、購買意欲の揺らぎ、再編によるエリア競合の変化は、いずれもID-POSデータを丁寧に分析することで初めて具体的な打ち手につながる。

来店頻度や併買傾向、価格感応度といった顧客行動の変化を可視化し、販促・棚割り・価格施策にリアルタイムで反映していく体制づくりは、今後の競争優位を左右する重要なテーマとなるだろう。マギーが提供するPALやPowerID、i-codeといったID-POS分析ソリューションも、こうした現場の変化を捉え、意思決定のスピードを上げるための選択肢のひとつとして、小売各社の関心を集めている。